『沖縄空手「型」を探る』
嘉手苅徹著
沖縄タイムス社(2022.08.01発行)
沖縄タイムス紙上での連載を書籍化。
著者は剛柔流の空手家で空手研究者。
空手経験値の高い人物の記述なので臨場感ある文章になっている。
登場する型は以下の通り。
(松林流)
・普及型1
・クーサンクー(公相君)
・ワンカン(王冠)
・ローハイ(鷺碑、鷺牌)
(剛柔流)
・撃砕第一
・普及型2
・撃砕第二
・サンチン(三戦)
・転掌
・スーパーリンペイ(ペッチューリン、壱百零八手)
・シソーチン(四向戦、四向鎮)
・セイユンチン(制引戦、征遠鎮)
・サイファー(砕破)
・セーパイ(十八手)
・サンセールー(三十六手)
・クルルンファー(久留頓破)
・セーサン(十三手)
(小林流)
・ナイハンチ(内歩進)
・ウンシュ(雲手)
・ピンアン(平安)
・ソーチン(壮鎮)
・ジオン(慈恩)
・パッサイ(抜塞、抜砦)
・ジッテ(十手)
・チンティー(珍手)
(少林流)
・アーナンクー(安南空)
・ゴジューシホ(五十四歩)
・セイサン
(少林寺流)
・チントウ(鎮闘)
・ワンシュー(汪輯)
(上地流)
・サンチン(三戦)
・サンセーリュー(三十六)
・完子和(カンシワ)
・十戦(セーチン)
・セーリュー(十六)
・完戦(カンチン)
・第二セーサン(完周)
・セーサン(十三)
(沖縄拳法)
・ニーセーシー(二十四)
「ソーチン」の項には会長と康雄先生も登場している。
型の解説以外にも「型の構成」「型名の変遷」「型と鍛錬器具」「型と体鍛え」「3つのセーサン」などのコラムもあり興味深い。
そして巻末には新聞連載時にはなかった余録。
1:名人・達人の人物像
2:空手家の幼少時代
3:嘉納治五郎と「かた」の表記
4:型の種類と型名に冠される人名、地名と段、大・小
5:名称の変更に見られる脱中国文化と日本化
6:船越に始まる型の言語化
7:沖縄空手の型の研究に関わる主な文献
8:沖縄空手の型を写真・イラストなどに解説を施して刊行された単行本(1970年代以降)
タイトルだけ見てもなかなかワクワクしてくる。